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編集後記
上田 敏
pp.566
発行日 1979年7月10日
Published Date 1979/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104194
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「一般病院におけるリハビリテーション活動」を正面からとりあげたのは本誌では初めてのことであるが,各論文とも具体的で,豊富なデータを通して問題点を浮彫りにしていただいた.座談会も含め,今後のリハビリテーション医療の体系化を考えていく上のよい参考となろう.
二木氏は東京都内の中心地域にある中規模一般病院,磯村氏は農村の地域中心病院という正に第一線の病院における,いずれも脳卒中を中心とするリハビリテーション活動について詳しく述べておられる.特に二木氏の「自宅への直接退院80%」という成績は注目に値する.長尾氏・他は全国の労災病院についての詳細なアンケート調査によって,労災病院におけるリハビリテーション活動の現状と問題点を検討しており興味深い.山口氏・他は,東大病院リハ部の15年間の活動を中心に大学病院におけるリハビリテーション活動をのべた.横山氏の司会による座談会では,一般病院と専門病院のそれぞれの立場からの率直な発言によって,問題点がかなり明確にされた.特に現在の一般病院(リハビリテーション部門を持たない)では「基本的な管理もしてくれてない」という指摘は痛烈である.司会者が結論的に述べた「専門病院の必要性」については誰しも異論がないであろう.ただ,専門病院の立地条件(山間と都市部)についてもう少し議論があってもよかったのではあるまいか.
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