Japanese
English
特集 肩関節の理学療法とリハビリテーション
肩関節における再建手術後の運動療法
Rehabilitation of Postoperative Shoulder Repair.
遠藤 寿男
1
Hisao Endo
1
1健康保険鳴門病院整形外科
1Dept. of Orthopaedic Surgery, Naruto Hospital.
キーワード:
肩関節
,
肩関節再建手術
,
運動療法
Keyword:
肩関節
,
肩関節再建手術
,
運動療法
pp.659-664
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103843
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
肩関節の特徴的なことは,この関節が人体の中で最も可動域の大きく,かつその安定性が主として筋肉に依存する部分が非常に大きいことである.私は肩関節の話をする時に好んで引用する言葉にBlountの「肩関節は筋肉の海に浮んだ関節である」という言葉である.言葉をかえれば,肩関節にその安定性が主として筋肉のバランスによって保たれている関節であるということである.そこでこのような肩関節の機能を再建するにあたり,常に念頭におかなければならないことは,この筋肉すなわち肩甲帯筋のバランスをどのようにとらえるべきかということである.
日常よく遭遇するいわゆるfrozen shoulderといわれるものでも,肩甲帯筋やそれを支配する神経に異常がなければほとんどの場合リハビリテーションにより漸次改善され大きな問題を残すことは非常に少ない.逆に関節が不安定であったり,筋肉の損傷や神経に異常があるとその機能障害は大きいものが通例である.
したがって各種の再建手術後のリハビリテーションを処方する際,この筋肉の問題と関節の可動域の問題をいかに処理するかが重要である.以下,一般に行なわれる肩再建手術の代表的な方法と,その後のリハビリテーションにつき述べてみることにする.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.