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編集後記
川
pp.1378
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103721
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ブレードランナーことオスカー・ピストリウス選手.テレビで初めて彼が走る姿を見たとき,機能的で美しいとも言える義足とそのしなやかな走りに目が釘付けになりました.そして今年のロンドンオリンピック.彼は義足のランナーとして初めてオリンピックとパラリンピックの両大会に出場しました.その「快挙」は多くの感動を与えた一方で,義足の公平性を巡る議論もあります.障害を乗り越えてオリンピックに出場するには相当な努力があったことでしょう.しかし,健常者のアスリートたちが彼ほど努力はしていないのかと言われれば決してそんなことはなく,どの選手もオリンピック出場のために気の遠くなるような努力をしたに違いありません.「義足は有利」なのか? ならばシューズの性能の違いは問題ないのか?「公平性」を保つということはとても難しそうです.
健常者のアスリートに劣らないスピードで走る義足の選手たち.義足開発の技術の進歩のすばらしさに感動しつつパラリンピックを見ていてふと思いました.何年か後にパラリンピックの記録がオリンピックの記録を上回り,「健常者が義足なしでパラリンピック出場の快挙」のニュースが物議を醸す日が来るかも…….
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