ひと
第27回保健文化賞を受賞された鉄道弘済会東京身障福祉センター所長 稗田正虎(ひえだ・まさとら)先生
飯田 卯之吉
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1国立身障センター補装具研究所
pp.940
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103435
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先生に接した者が等しく受ける印象は謙虚と温厚で,佐賀弁の混った優しい先生の言葉づかいは忘れることが出来ない.「リハビリテションとは実践の哲学である」という先生の信念を承ったのは,厚生省を退官されて現在の任務に就かれて聞もない頃,荻窪のお宅へお伺いしたときであったから既に10年になる.日本の義肢における先生の御功績は万人の知るところで,故神中正一先生と御一緒になさった研究はもとより,戦後,昭和27年,WHOフェローとして欧米視察をおえられて,早速昭和31年に国連技術援助によるサクションソケット大腿義足講習会を開催され,続いて32年には米国海軍ソフトソケット下腿義足の講習会を実現され,わが国の義肢の近代化へのいとぐちを開かれた.常にリハビリテーションの先駆者として茨の道を開拓されて来られた先生が,今般保健文化賞をお受けになられたと聞いて,喜びにたえない.今後ますますお元気で,《哲学の実践》をこいねがう次第である.
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