ひと
卜ータルケアを目指して地道な活動をつづけられる厚生省老人福祉専門官 森 幹郎(もり・みきお)先生
田中 多聞
1
1東京都老人総合研究所
pp.1032
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103037
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森さんとの初めての出会いは8年前,別府での老人施設関係者全国大会で,悠生園のリハビリテーション記録映画を発表したときである.「老後の生活すなわちリハビリテーションの生活」という森さんの日頃の主張を臨床家の私が偶然に特養で実践していたことから,いたく共鳴された.森さんのリハ哲学と理念はヒューマニズムと老人愛から生れたものである.たびたび研究に訪れた北欧の地は森さんと私の共通した心のハイマートでもある.その地の老人福祉やリハから学んだものが心の栄養となり,多くの著書で紹介された.専門官としての森さんは,行政面や施設関係者のよりよきアドバイザーとして活躍されているが,森さんの持味はなんといっても心の温かさと鋭い老人観だと思う.行政官というよりも研究者,教育者に近い森さんに,脱施設すなわちホーム・ケアに踏み切った私が期待したいことは,過保護的福祉からの脱皮の強力な推進力となってほしいことである.
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