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編集後記
上田 敏
pp.880
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103004
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早いもので,本誌が創刊されてからもう1年の3分の2近くが過ぎて,8月号をお届けすることになった.3ヵ月にわたる脊損の大特集でやや食傷気味になられたかもしれないが,多面にわたる脊損のリハビリテーションを深く理解するにはこれでもまだ論じ残した問題が少なくない位である.ともかく,これまでどこでもおこなわれたことのない規模の脊損のリハビリテーションの特集が完結したことを,力作をよせられた執筆者各位に厚く感謝したい.本号にはその他忙しい中を巻頭言を寄せていただいた水上勉氏をはじめ,それぞれすぐれた論文を得て充実した号となった.
さて,8冊の雑誌をふりかえってみると,ようやく本誌にも,独特のカラーといったものができてきたように思う.もちろんまだ「総合とはいいながら医学にかたよっているではないか」,「固い論文が多すぎる」などの批判があるし,それもたしかに一面当っていよう.また1,2号の鈴木論文,今田論文のような理論的な問題の考察を求める声も強い.リハビリテーションが技術論にばかりかたよって本来の理念や哲学を忘れてもらっては困るということであろう.実はわれわれとしても,そういうものをぜひ載せたいが,どなたに何をお願いしたらよいのか迷っているというのが実情である.適切な筆者を御推薦いただければ幸いである.
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