連載 症例による座位保持装置の紹介
重度の知的障害児―てんかん発作や感覚過敏などを有する症例
高岡 徹
1
1横浜市障害者更生相談所
キーワード:
車いす
,
転倒防止
,
リクライニング機構
Keyword:
車いす
,
転倒防止
,
リクライニング機構
pp.502-503
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102078
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はじめに
身体機能障害の合併がない知的障害児・者においては,姿勢保持あるいは移動を目的とした車いすや座位保持装置を処方することは稀である.しかし,難治性のてんかんがあり,発作が頻発している場合などでは,移動時の安全性確保のために車いすの利用が検討される.とくに重度の知的障害や高次脳機能障害があると,発作の前兆を訴えることが困難な場合もあり,車いす使用の必要性が高まる.また,常時乗車するわけではないが,発作後の歩行困難時に使用するため持ち歩きたいという目的で,できる限りの軽量化と扱いやすさを介護者から希望されることも多い.
本稿では,とくにてんかん発作を合併する知的障害児・者に対する車いすや座位保持装置の工夫について述べる.なお,重度の身体障害のある利用者では,十分な姿勢保持機能をもたせる必要があるが,今回はこうした事例には触れない.
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