連載 リハビリテーション関連の各種統計
PT,OT,STの需給の現状と見通し
渡部 一郎
1
1青森県立保健大学大学院リハビリテーション福祉工学
キーワード:
理学療法士
,
作業療法士
,
養成校
Keyword:
理学療法士
,
作業療法士
,
養成校
pp.188-189
発行日 2010年2月10日
Published Date 2010/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101710
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養成校数,学生数の推移
理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST),義肢装具士(PO)などは,看護師,検査技師,薬剤師,放射線技師などに比べて国家資格化されてから歴史が浅いが,近年,養成校の増加が著しい.PT,OTは,1965年の理学療法士及び作業療法士法の制定により3年制特殊学校として始まり,1992年の4年制大学開学以降,多数の養成校が開設されてきた1).STは,1999年に言語聴覚士法による国家試験が開始され,2000年にスタートした回復期リハビリテーション病棟,介護保険制度下の需要増大により養成数が増加した.
2009年のPT,OTの全国の養成校数,1学年当たりの学生数(表1)と,学生数の推移(図1)を示す.PT,OTとも20年(1989年比)で10倍以上に定員が増加した2-5).PT養成校数の増加率に比べ,OT数は2005年頃より増加率が鈍り,PT,OTとも新設校増加の一方,募集定員割れ,募集停止などがみられる.PT養成校の統計では,在学学生数は1学年約1.3万人で,4学年で5万人以上の在校生が待機している計算となり,全国の就業PT総数5.3万人とほぼ同数である(1965年からの44年間の有資格者累計総数は約7万人).単純計算すると,今後,毎年職場が25%増えるか,1/4が失職することになり,現状では,供給過剰と言える.
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