Japanese
English
特集 新脳卒中治療ガイドラインを巡って
病型別リハビリテーションの進め方(特に急性期)
Acute rehabilitation for each patient with cerebral hemorrhage and cerebral ischemia.
中馬 孝容
1
,
松尾 雄一郎
2
Takayo Chuma
1
,
Yuichiro Matsuo
2
1滋賀県立成人病センターリハビリテーション科
2北海道大学病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitaion Medicine, Shiga Medical Center for Adults
2Department of Rehabilitaion Medicine, Hokkaido University Hostpital
キーワード:
急性期リハビリテーション開始
,
神経症候増悪
,
脳出血
,
脳梗塞
,
くも膜下出血
Keyword:
急性期リハビリテーション開始
,
神経症候増悪
,
脳出血
,
脳梗塞
,
くも膜下出血
pp.1129-1131
発行日 2009年12月10日
Published Date 2009/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101659
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はじめに
「脳卒中治療ガイドライン2009」の「病型別のリハビリテーションの進め方(特に急性期)」の項目における内容は,旧ガイドラインの内容と大きく異なるものはないが,追記および附記を設け,一般臨床家にとってもわかりやすい解説を心がけた.
旧ガイドラインの「急性期リハビリテーション」の項目では,「廃用症候群を予防し,早期の日常生活動作(ADL)向上と社会復帰を図るために,十分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションが強く勧められる」との推奨がある.現在,急性期病院で早期からのリハビリテーションが一般的に行われるようになり,急性期リハビリテーションが浸透してきた.
かつて,脳卒中における急性期リハビリテーションは長年にわたり強調されてきたが,リハビリテーション開始時期については一致した見解がなかった.特に,発症直後は急性期治療を行うのみで,座位・立位訓練などは禁忌とされていた時期もある.これは,入院後も症状が進行する例があり,リハビリテーション開始直後に臨床症状が増悪すると,リスク管理もさることながらリハビリテーションの継続が難しくなる一面があったものと考えられる.
本稿では,急性期を中心に病型別に応じた,現時点におけるリハビリテーション開始時期の見解とリハビリテーションにおける注意点について解説したい.
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