特集 “経過観察”の脳画像診断:ホントに著変ありません?
脳血管障害
五明 美穂
1
,
土屋 一洋
1
1杏林大学医学部放射線医学教室
キーワード:
脳梗塞
,
脳出血
,
くも膜下出血
,
二次変性
Keyword:
脳梗塞
,
脳出血
,
くも膜下出血
,
二次変性
pp.1256-1265
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000005841
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● 脳梗塞の超急性期は細胞(障害)性浮腫が主体で,急性期は細胞性浮腫と血管(障害)性浮腫が混在する.亜急性期は血管性浮腫が主体となり,脳実質の所見が不明瞭化する時期(fogging effect,pseudo-normalization)が生じる.
● 脳梗塞の所見の出現時期は虚血強度で異なり,発症前に側副血行路ができているような場合や脳幹梗塞,small artery infarctionなどの虚血強度の小さな梗塞は,発症後早期には検出できず再検査が必要になることがある.また分枝粥腫型梗塞は経過観察で梗塞巣の拡大に注意する.
● 脳内出血では,血腫の増大に伴う脳ヘルニアや血腫の脳室内穿破,水頭症の出現に注意する.
● くも膜下出血では再出血や水頭症,血管攣縮とそれに伴う脳虚血の出現に注意する.
● 脳梗塞や脳出血後に主病巣に関連する神経線維路や遠隔部位に二次変性を生じることがある.
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