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SARSやテロの発生によって国際学会は受難の時代となり,多くの学会が1~2年間,開催時期が延期されるようになった.しかしJapanese-Korean Joint Conference on Rehabilitation Medicine 2004(以下,日韓合同カンファレンス)に関しては当初の予定通り開催されることになった(2004年4月23~24日,於:京都国際会議場).一方,昨年5月にSARS感染の台湾医師が京都を訪れたことから行政当局が過敏となり,京都府の医療審議会企画部会の会長を務める小生にも,ストレスがのしかかってきた.当然のことながら,シンポジストとして招待する予定であった中国や東南アジアの医師の招待を自粛せざるをえなくなった.果たして,アジアのリハビリテーションの将来展望といったシンポジウムが成り立つだろうかという不安が生じた.また,本学会のFounderの一人と言える副会長の石神重信先生(防衛医科大学校)は間が悪いことに術後の病身であり,小生の孤軍奮闘の可能性が出てきた.
さらに昨年末になって韓国若手医師から連絡があり,「日本の物価高やJR代の高さなどから出席者は20名ぐらいになるのではなかろうか」とのことであった.住田幹男先生(関西労災病院)を始めとするプロジェクト委員会でも対応を苦慮して,「うわさを気にして思い悩むよりも,実際に韓国に行って実情を感じとったほうが良いのでは」ということになった.日本リハビリテーション医学会の好意と韓国側代表Park教授(副会長)の対応によって小生が講演に出かけることになった.さっそくソウルに行って「運動器のリハビリテーションとfMRI」に関するテーマで1時間の講演を延世大学で行った.講演内容は,文部省科学研究費の援助を得て行っている「運動器の随意運動におけるfMRIによる動態分析の研究」が中心となった.満員の聴衆に日韓合同カンファレンスへの参加を呼びかけた.反応は大変好意的で,続いて開催された夕食会では韓国のVIPが集まって下さり,Park副会長,Moon前会長,Lee韓国リハビリテーション学会President,Shin名誉President,3名の女性教授をはじめ全教授が部下を引きつれて参加する由を約束して下さった.
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