Japanese
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特集 介護保険改革をめぐって
障害者福祉との統合問題
Integration of welfare policies of young disabled persons and the care insurance policy for geriatric persons.
田中 晃
1
Akira Tanaka
1
1神奈川リハビリテーション支援センター
1Kanagawa Rehabilitation Center
キーワード:
障害者福祉
,
介護保険
,
CBR
Keyword:
障害者福祉
,
介護保険
,
CBR
pp.31-38
発行日 2005年1月10日
Published Date 2005/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100005
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はじめに
介護保険制度は2005年に施行5年を迎え,介護保険法附則第2条に基づき全般的な見直しが行われている.特に,介護保険制度における「被保険者・受給者の範囲」の拡大は,制度創設時から大きな課題とされ,今回の見直しの大きな課題となっている.
介護保険の対象年齢を引き下げることは,すなわち障害者施策のあり方に大きな影響を及ぼすことになる.すでに,介護保険の第一号被保険者である65歳以上の障害者は,身体障害者総数の約6割を占めている.さらに,64歳未満40歳以上の第二号被保険者のうち脳血管障害等の特定疾病を原因とする障害者も加わる.これらの障害者はすでに,介護保険証と障害者手帳の両方を取得して福祉サービスを利用している(図1).
社会保障審議会では,「被保険者・受給者の範囲」の拡大について積極的考え方と消極的考え方がある.国は介護保険部会,障害者部会それぞれにおいて,2004年内に議論をまとめ,2005年度の法制化を目指すとしている.国は,2004年10月12日,「今後の障害者保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)」(以下,グランドデザイン案)を社会保障審議会障害者部会に提出した.介護保険との「統合」を視野に入れたものである.
今回は,ソーシャルワーカーという社会福祉を担う立場から,介護保険制度見直しと障害者福祉の現状の課題について取り上げ,グランドデザイン案のなかで提案された「障害者福祉サービス法」(仮称)について検討を試みたい1).
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