連載 臨床実習サブノート 「どれくらい運動させていいかわからない」をどう克服するか・第7回
—中枢神経系疾患—回復期脳卒中患者に対するバランス練習
大田 瑞穂
1
Mizuho OHTA
1
1令和健康科学大学リハビリテーション学部理学療法学科
pp.1161-1167
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203623
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脳卒中患者のバランス練習
脳卒中患者では36.8〜83%と幅広い範囲でバランス障害を呈していると報告されており1,2),主に運動麻痺,感覚障害,認知処理の問題などのさまざまな機能低下によりバランス能力が低下するため3),日常生活活動の制限,転倒リスクの増加,生活の質の低下につながります4,5).そのため,脳卒中患者のバランス練習は活動性の改善を促す回復期においても重要です.
バランスとは姿勢の動揺を最小限に抑えながら,身体重心(center of mass:COM)を支持基底面内(base of support:BOS)に保持する能力を指しますが6),自然立位や座位などの姿勢を保持し一定の位置にCOMを保持する静的バランスと,COMの移動を伴う動作を達成する機能である動的バランスに分類されます.本稿では回復期の脳卒中患者を想定して,動的バランスに対する練習について解説します.
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