連載 臨床実習サブノート 「どれくらい運動させていいかわからない」をどう克服するか・第6回
—中枢神経疾患—回復期脳卒中患者に対する筋力増強運動
大田 瑞穂
1
Mizuho OHTA
1
1令和健康科学大学リハビリテーション学部理学療法学科
pp.1060-1064
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203595
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脳卒中患者の筋力増強運動
脳卒中患者の上肢および下肢筋力は同年代の対象と比較して30〜50%と報告されており1〜4),筋力低下を呈する症例は多いです.また,この筋力低下は歩行速度の低下や社会参加の制限と関連しているため5,6),多くの理学療法場面で筋力増強運動を実施する機会があります.一般的に筋力増強運動では対象者の筋力に合わせた漸進的抵抗トレーニング(progressive resistance training:PRT)を実施することが推奨されていますが,運動麻痺を呈して筋力低下の著しい脳卒中患者ではPRTの実施が難しいです.運動麻痺によってPRTの実施が難しい場合は,電気刺激装置や体重免荷トレッドミルを使用した抵抗負荷を与えない反復練習を実施します.本稿では脳卒中患者の機能レベルに適したPRTと反復練習による麻痺側下肢の筋力増強運動を解説します.
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