Close-up 糖尿病
糖尿病足潰瘍と予防フットケアのチーム医療
渥美 義仁
1
Yoshihito ATSUMI
1
1永寿総合病院糖尿病臨床研究センター
キーワード:
糖尿病足潰瘍
,
末梢動脈疾患
,
再発予防
Keyword:
糖尿病足潰瘍
,
末梢動脈疾患
,
再発予防
pp.1315-1318
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202112
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糖尿病治療の目標は,腎症,網膜症,神経障害,冠動脈疾患,脳血管障害,末梢動脈疾患などの合併症予防であるが,糖尿病足潰瘍は代表的かつ重篤な合併症の1つである.欧米での糖尿病足潰瘍の発症率は年に約2%で,生涯発症率は15〜20%と高率である.一方,わが国の糖尿病足潰瘍や切断の発症率は,欧米白人,アフリカ系黒人に比べて低率であるが,増加する末梢動脈疾患(peripheral arterial disease:PAD)合併例や透析例に多くみられる.
足潰瘍は,症状が神経障害でマスクされるため本人が気づきにくく,病変は靴下や靴のなかで診察機会が少ないため,早期発見が困難である.また,足潰瘍の治療には,複数科と多職種のチーム治療が必要であるが,チームメンバーがそろわないことが多い.さらに,依然として糖尿病足潰瘍の専門医は少なく,また切断率は高く,生命予後は不良で再発率も高い.理学療法士には,足潰瘍治療中および治療後あるいは切断後のリハビリテーションと,再発予防にチーム医療の一員として積極的な参加が求められる1).
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