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編集後記
吉尾 雅春
pp.488
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201886
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読者の皆さまは変わらずにお過ごしでしょうか.現在流行している新型コロナウイルスは人間社会をかなり脅かしていますが,ヒトが地球上に生まれてこれまで,そしてこれからもヒトと感染症との戦いは避けられないものなのです.この戦いが完全になくなるという未来もあり得ないということでしょう.今回の流行が理学療法士たちの感染予防の意識づけにしっかりとつながることを期待しています.
この度の騒動は新型コロナウイルスの正体がわからないことが一番の要因になっているわけですが,本特集で取り上げた「脳幹」の病変についてもよくわからないままで臨床活動がなされている傾向にあります.病態や現象をつぶさに観察して意味づけすることを放棄していては何も始まりません.卒前教育で学んでいなくても,脳の機能解剖をひもとけば目の前の病態を理解する糸口が見つかるはずです.途中で放棄せずに,しっかり考え抜きましょう.そのための道筋を示してほしいと内山氏に依頼しました.多くの助言も含めて懇切丁寧にまとめていただきました.そのうえで,7名の臨床家たちに提示していただいた症例を通した検討過程に触れてほしいと思います.それらの過程はすべてが正しいとは言えないかもしれませんが,それを含めて多くを読み取ってほしいと思います.果敢に挑戦していただいた皆さまに感謝いたします.
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