入門講座 身近なツールを治療に活かす・1【新連載】
弾性包帯・セラバンド—理学療法における運動療法の補助的手段としての応用
森田 伸
1
,
田仲 勝一
1
Shin Morita
1
1香川大学医学部附属病院リハビリテーション部
キーワード:
弾性包帯
,
セラバンド
,
運動療法
Keyword:
弾性包帯
,
セラバンド
,
運動療法
pp.63-69
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201430
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
理学療法における運動療法を行うにあたり疾患特有の症状に対し四肢・体幹を圧迫する手段を併用して,その効果を向上させることが可能である.例えば,リンパ浮腫の基本的で効果的な治療である圧迫療法や,運動失調症に対する運動療法で用いる弾性緊縛帯の効果を認めている手段として,弾性包帯(ゴム糸を使用したもの),弾力包帯(綿100%のもの)がある.
身近にある圧迫する手段は安価であることも重要であり,弾性包帯以外では伸縮性があるセラバンド(THERABAND®),弾性ストッキングや弾性タイツなどが挙げられる.
しかしながら圧迫する手段を併用する運動療法は,限られた疾患でのみ報告されている.それ以外では従来の理学療法における補助的な手段として,理学療法士が試行錯誤しながら症例に対する効果を検討している段階であり,応用の発展に至っていないのが現状である.
本稿では,四肢・体幹を圧迫する手段として用いられている弾性包帯またはセラバンドを例に挙げ,運動器疾患と中枢神経系の理学療法における応用について解説する.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.