特集2 これまでの10年とこれからの10年—理学療法の発展と課題と夢
小児の理学療法
木原 秀樹
1
Hideki Kihara
1
1長野県立こども病院リハビリテーション技術科
キーワード:
エビデンス蓄積
,
連携
,
成育医療
Keyword:
エビデンス蓄積
,
連携
,
成育医療
pp.62-64
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200448
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小児医療・小児理学療法の変化
小児理学療法の歴史は古く,1965年に理学療法士及び作業療法士法が制定される以前から,ポリオ(旧称:小児麻痺)を対象に介入が行われてきた.理学療法士が誕生する頃には,全国に肢体不自由施設が設置されたが,1970年代後半から,通院による理学療法を実施する医療機関(一般病院および大学病院など)が増えてきたため,施設入所による理学療法の実施は減少した.
小児理学療法に大きな転機が訪れたのは,2005年に厚生労働省等から政策通知された「小児科・産科における医療資源の集約化・重点化の推進について」1)であった.小児医療は医師不足による体制崩壊が現実味を帯びていたなか,各都道府県において,小児科・産科の医療資源の集約化・重点化計画を策定するよう通知された.小児医療の集約化と時を近くして,新生児集中治療室(neonatal intensive care unit:NICU)病床の不足が社会問題化した.2007年に厚生労働省から報告された実態調査の結果2)から,小児中核病院での地域周産期母子医療センター,高次機能病院での総合周産期母子医療センターの整備が急速に進んだ.
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