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海からの浜風が確実に春の訪れを告げるなか,2013年3月15日から17日までの3日間,横浜にて,第77回日本循環器学会学術集会が,水野杏一先生(日本医科大学医学部長)を大会長に開催された.「世界へ翔く日本の循環器病学」と題して開催された本学会は,循環器領域では国内最大規模の学会の一つであり,期間中多種多様なプログラムが準備されていた.コメディカルセッションについても,シンポジウムが4セッション,その他一般演題が387演題(口述発表30題,ポスター発表357題)設けられるなど,私たちコメディカルスタッフに対しても,十分配慮いただいているプログラム構成であった.筆者は,現在心臓リハビリテーションに従事しているため,本稿ではこれに関連するセッションを聴講した印象を述べたいと思う.
まず,心臓リハビリテーションについて,本学会を通してのキーワードは「心不全」「高齢化」「多職種」「疾病管理」であったように感じた.そして,心臓リハビリテーションにおいては,現在一つの変換期を迎えつつあるのではないだろうか.それを最も考えさせられ,印象に残ったのが,埼玉医科大学の牧田茂先生による講演であった.トピックスの一つとして紹介された「強心薬を切ることができない方への運動療法はどのように展開していけばよいか」は,重症心不全に対するリハビリテーションアプローチにおける近年の課題として取り上げられていた.われわれ理学療法士は,高齢かつ重症心不全というさまざまな因子が絡み合った病態にハイリスクが加わった方へ,「運動」という治療法を用いる.今後,「安全」と「積極性」という相反する両者のバランスの比重をどこに置き,患者さんに対して有益な運動をどのように展開していくのかは,興味深いテーマであり,これからさらに臨床における症例検討を行う必要性を感じた時間であった.
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