我らのシンボル
"心"とその世界—日本循環器学会
佐々木 稔
1
1事務局
pp.447
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202503
- 有料閲覧
- 文献概要
"William Harvey, 4th Century Memorial Lecture" が1978年9月,第8回世界心臓学会の冒頭を飾った.彼は「心臓と血液の運動」(1628)によって血液循環の発見者として知られている近代科学創始者の一人である.心臓の持つ神秘な謎に挑戦したHarveyも,心臓を血液に精気を付与する器官として出発し,その後も血液の膨張に伴って伸縮する器官としてとらえていたそうです.
生命が発生するためには栄養と成長の能力が必要であり,発生期の胚には"霊魂"が宿っていなければならない.とすれば,生命の発生過程の最初に分化する器官,心臓にこそ"霊魂"は宿るべきだ.しかも心臓は上半身の中心,人間にとって最も貴い場所に位置しているではないか.心臓の運動が精神の影響を受けやすいのは,全身器官に栄養と熱とを配給する血液がその心臓で作られ,"霊魂"の感覚能力を発揮しているからである,
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.