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臨床から教職に転身して思うこと
臨床から教育に転身してそろそろ2か月になります(2002年5月現在).
進学に伴って決断した転職でしたが,今でも病院での仕事に戻りたいと思うことがあります.臨床と教育(臨床教育)と研究と家庭+αのバランスの難しさはありましたが,上司や後輩,実習生ら「前線の仲間」と酒を飲みながら話をしていた日々が懐かしく思えます.決して今が充実していないわけではないのですが,何か,臨床から離れたことに後ろめたい気持ちが生じています(学生を通して理学療法の必要な人に貢献しているとは思っていますが).ところで,教員になると研究の時聞が十分あるものかと思っていましたが,実際にはなかなか難しいものと知りました.なんといっても教員1年目は授業計画の作成や準備が大変です.それに,実習生の相談も頻繁にあり,思ったように時間が使えず「今年の学会エントリーは控えればよかった」と思っている次第です.さて,医療環境の変化について日常感じることと言えば,「リスクマネジメント」「職域の拡大・連携」「満足度」「EBM」「インフォームドコオペレーション」などの言葉が浮かびます.中でもPS(patient satisfaction患者満足度)が最も重要といえるでしょう.なぜならば,医療環境の変化はおおむねPSを考慮した結果生じているものと思われるからです.理学療法の領域では,理学療法を必要とする人にとって,どのようなあり方が最もよいのかを考えてゆくことがPSと言えるでしょう.教職に転身してPSを直接感じることが少なくなりましたが,学生を導く役割lであるからこそ,船頭は方向を間違えないようにしなくてはいけないな,と感じています.
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