特集 症例報告
気管切開後長期経過者の発声練習の経験
千葉 哲也
1
Chiba Tetsuya
1
1桜新町リハビリテーションクリニック
pp.787-791
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105917
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はじめに
当クリニックは訪問看護ステーションを併設したリハビリテーション単科のクリニックで,午前中は外来,午後は半径約6kmの東京世田谷区全域で訪問活動を展開している(図1).世田谷区の2000年度の介護保険認定者数は人口78万人中約1万4,000人である.要介護4または5の認定を受けた者は約4,000人で,そのうち約45%が在宅生活を送っていることから,在宅リハビリテーションに対するニーズは高いことが予想される.
2000年度のクリニックとステーションを合計したスタッフ数は医師2人,看護婦3.5人,理学療法士10人,作業療法士1人,言語聴覚士1人で,訪問利用者は296人であった.対象疾患の内訳をみると,脳血管障害が143人と約半数を占め,骨関節疾患も68人と多い.肺機能障害者は人工呼吸器装着5人,在宅酸素利用者10人と少なく,呼吸器疾患ではないが,排痰,発声などの問題で肺理療法を行う者も若干いる.
今回,気管切開後長期間が経過したが,発声の希望があり,スピーチカニューレを使用しての発声練習を2例経験したので,共通の治療方法を5段階に分けて報告する.
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