Treasure Hunting
子どもらの人生に寄り添いながら―松野俊次氏(豊田市こども発達センター)
編集室
pp.205
発行日 2001年3月15日
Published Date 2001/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105766
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人との出会い,そして耳にした一言に突き動かされて自ら生涯の職業として理学療法の道に入ったという方に何人かお目に掛かったことがある.それほどに心を動かされる出会いを経験されたということだろう.
今月ご登場いただいた松野俊次氏が小児理学療法の道に入ったきっかけは早稲田大学の学生時代に遡る.生来の子ども好きでYMCAのボランティアリーダーとして種々のグループ活動に参加,そうした活動の1つに「障害児と健常児とのインテグレーションキャンプ」というのがあり,当時東京教育大学付属桐ヶ丘養護学校高等部の松兼功氏に出会う.氏はアテトーゼ型の脳性麻痺で,キャンプファイアーの炎を囲んで,「自分は体に不自由はあるが,心は健康である.心の健康さを大切に障害に負けずに生きていきたい」と話しをされた.大学生とあまり年齢の離れていない松兼氏からのこのメッセージが,松野氏の心中に強い共感を呼んだのも頷ける.
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