特集 臨床実習の課題と展望
老人保健施設における実習の展開
森田 正治
1
Morita Masaharu
1
1専門学校柳川リハビリテーション学院理学療法学科
pp.183-190
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105510
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1.はじめに
ここ数年来,理学療法士の養成施設が急増し,臨床実習施設の確保が困難になってきている.実習施設によっては,複数の養成施設から一度に多くの実習生を受け入れることを余儀なくされ,学生の指導・教育にも苦慮している現状がうかがわれる.理学療法士の養成施設総数は平成11年4月1日現在,107施設,養成定員総数3,631名を数え,10年前と比較すると施設数は2倍以上の増加傾向を示している.更に平成12年度にも幾つかの養成施設の設立が予定されており,各養成施設では実習施設の確保が非常に重要な課題となっている.
こうした状況のなかで,平成11年度,厚生省指定規則の改定が行われ,カリキュラムの大綱化により養成施設の独自性を盛り込んだカリキュラム編成が可能となった.当学院でも指定規則の改定をうけて,学外実習形態ならびに学内カリキュラムの改定を行い,医療機関以外の施設における実習を教育課程のなかに位置づけた.
本稿では,学外実習の一環として平成9年度から当学院が取り組んできた老人保健施設における体験実習について紹介し,老人保健施設における臨床実習の可能性および必要性について提言する.
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