特集 ひとり職場の運営
“ケア”主体の老健施設の理学療法士として
西森 善一
1
Nishimori Yoshikazu
1
1老人保健施設/りは・くにくさ
pp.725-727
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104855
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1.はじめに―当施設の概要
私の勤務している老人保健施設「りは・くにくさ」は,広島駅から東へ車で約1時間ほど郊外に出た阿戸町に位置している.施設周辺は四季をとおして色鮮やかな豊かな自然に囲まれ,森林浴なども楽しむことができ,老人利用者にとって恵まれた環境にある.
当施設は入所者数80名,デイケア20名定員となっており,施設長の福祉に対する情熱を背景に,「自立支援」「家庭復帰」「家庭的雰囲気」「地域・家族との結びつき」をキーワードに,「在宅支援」活動にも力を入れた活動を展開している.
老健施設「りは・くにくさ」は平成8年7月に開設され,同時に外科,胃腸科,内科,リハビリテーション科などの診療科を有し,地域に密着した医療サービスの提供を目標とした地域診療所「あと・クリニック」,訪問看護ステーションも併設されている.そのほか,当施設に隣接して,同じ管理下で3年前に開設された特別養護老人ホーム「くにくさ苑」があり,そこには在宅介護支援センター,ホームへルプサービス・デイサービスセンター,配食サービスセンターが併設されている.
当老健施設の職員配置は,医師1名,看護職員8名,相談指導員3名,栄養士1名,理学療法士1名,その他となっている.私には,当施設に就職する以前に,総合病院,米国カイザー病院での6か月間のPNF研修,温泉病院,老人病院などで計16年間の理学療法士としての経験があったが,老健施設の経験は皆無で,業務内容についてもほとんど無知であった.そのため,相談指導員や介護職員の存在に新鮮な感じをもったが,彼らの業務については把握できていなかった.
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