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編集後記
安藤 徳彦
pp.684
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104611
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今月号は特集で高次脳機能障害を取り上げました.この障害については神経心理学会があって,神経内科の専門家が熱心に研究を進め高い成果を上げています.この学会では障害の本質を究明する研究が中心で,評価は高次脳機能障害を正しく反映するものでなければならないという認識が強く,そのため机上テストが中心になっています.しかし,我々臨床家は立ったり座ったり歩いたり食べたり着替えたり家事をする場面でこの障害を解決する必要性に迫られています.そして我々はこれらの場面の中でこの障害を的確に評価する尺度を持っていません.まして治療法となると暗中摸索もよいところで,確立とはほど遠い現状にいるようです.暗中模索でも治療の対象にされていればまだよい方で,患者が無視されて排斥されていることが多くないか,その方がむしろ心配です.今回の特集はそのような考え方で組んでみました.
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