理学療法草創期の証言
特例受験資格による国試受験
三浦 時男
1
1黒石市国保黒石病院リハビリテーション部
pp.791
発行日 1995年11月15日
Published Date 1995/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104418
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草創期といえば,やはり私の脳裏をかすめるのは,理学療法士国家試験のことである.振り返ってみるに,わが国にPT,OTが誕生して30年,青森県にPTが誕生したのは第1回国家試験が実施された昭和41年,青森労災病院の3人が最初であった.
当時,本県の受験者は特例組で,労災事業団,整肢療護園,日本整形外科学会が実施する講習会を受講しなければならなかった.私が受講したのは整形外科学会主催によるもので,240時間で全課程が修了することになっていた.青森県では,弘前大学東野修治教授(後に学長)に会長をお願いし,同大学を主会場に,講習会が行われた.受講者は支部会員29人と会員外2人の31人で,勤務に支障のない土曜,日曜日の2日間で計9日間の講義が行われた.今にして思えば30年前の昔話だが,薄給の身で自費受講した私は安い素泊まり旅館(裸電球の暗い部屋で,汚い煎餅ぶとんに雑魚寝)に泊まり,食事は大学病院の食堂を利用しながら講習会に通ったものである.本県は都会と違って交通の便が悪く,ひと汽車乗り遅れて,土曜日の講習会が終わってから駆けつけたこともあった.
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