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編集後記
吉尾 雅春
pp.216
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104255
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私は第29巻第1号の編集後記で「時に自然は人間に対して,恐ろしいほどの仕打ちをする」と述べました.その1号がお手元に届く直前に阪神大震災がありました.そこまで予言していたわけではありませんが,この上なく恐ろしい,悲しい出来事でした.亡くなられた方々の御冥福を祈り,被災された皆様が,街が1日も早く復興されることを願っています.
人間は生きている限り,原則的には肉体的な痛みを持っています.そして,その苦しみから早く逃れようともがきます.しかし,内容や程度にもよりますが,痛みがあるからこそ幸せであるとも言えます.この世に肉体的な痛みが無ければ身体は悲惨な状態になるでしょうし,心の痛みが無ければ人間性を亡くしてしまいます.本号の特集ではその疼痛を取り上げ,五氏に執筆をお願いしました.
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