Japanese
English
特集 起居動作
リウマチ患者の起居動作の指導とくふう
Bed Mobility and Transfers: Bed Mobitility and Transfers in Rheumatoid Arthritis
川西 雄三郎
1
,
高木 章好
1
,
伊藤 正彦
1
,
杉山 寿美子
1
,
羽根田 匡代
1
,
浅井 克己
1
,
吉田 勝彦
1
,
廣林 達也
1
,
川極 由里香
1
Yuzaburo KAWANISHI
1
,
Akiyoshi TAKAGI
1
,
Masahiko ITO
1
,
Sumiko SUGIYAMA
1
,
Masayo HANEDA
1
,
Katsumi ASAI
1
,
Katsuhiko YOSHIDA
1
,
Tatsuya HIROBAYASHI
1
,
Yurika KAWAGIWA
1
1榊原みのり会病院
1Department of Physical Therapy, Sakakibara Minorikai Hospital.
pp.458-461
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103049
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Ⅰ.初めに
慢性関節リウマチ(以下,RAと略.)は非化膿性の慢性関節炎を主症状とし,他の全身症状や多くの関節外の炎症症状を有する全身性疾患である1).そのためRA患者の起居動作の指導においては,痛みに注意を有することはもちろんであるが,特に関節への影響に注意を要する.起居動作において,現在どの動作ができないのか,またそれが何故できないのか(疼痛のためか,拘縮のためか,筋力の低下のためか,朝のこわばりのためか,また全身症状のためかなど)要因はいろいろと考えられる.また,現在,動作は可能だがこの動作により将来関節への悪影響を与えるおそれは無いか,また他の関節部位への影響はどうかなどをセラピストは考慮しながらRA患者に起居動作を指導する必要がある.しかし患者に将来,関節に悪影響を与えるおそれのある動作を行なわないように指導しても,なかなか守られない.それは起居動作が,人が生活していく上で必要不可欠な動作であるからである.RA患者は他の疾患と違って,多くは徐々に進行し,起居動作が困難になっていく.その間RA患者は,自身の筋力低下や関節可動域の減少などを身体で自覚し,できるだけ疼痛を誘発しない方法を自らくふうする.セラピストは,RA患者がその自らくふうした起居動作を寛容に受け止めながら,他の関節への悪影響を考慮し指導する.
本稿では特に頸椎に異常を認めたRA患者に対しての起居動作の指導と,当院で行なっているRA患者全般に対しての起居動作の指導を述べる.
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