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編集後記
高橋 正明
pp.502
発行日 2006年6月15日
Published Date 2006/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102547
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今年2月,トリノオリンピックの女子フィギュアスケートシングルのフリーで荒川静香選手が見事に舞った.今大会で日本が獲得した唯一のメダルが,冬季の花形種目の金だったということもあるが,たったの4分間がわが国をこれほどまで興奮させ,国民に勇気と感動を与えたことは驚きであった.そして3月,アメリカで行われたWBC(ワールドベースボールクラシック)では,王ジャパンが薄氷を踏みながらも最後にはキューバを破って見事栄冠を勝ち得た.その一喜一憂は普段野球を見ない人までをも巻き込み,最後には国を挙げて喝采し,喜びに酔った.そして6月,いよいよサッカーのワールドカップが始まる.国の期待と国民の胸の高まりは日ごとに増すばかりである.日の丸を背負って戦えるのは一部のアスリートのみであるが,国と国民に与えるプラスの影響力は計り知れない.国を背負わないまでも,トップアスリートは大きな影響力を持つ何かを背負って戦う.
本号は,そんなアスリートを医学的,身体的に裏で支える理学療法に焦点を当て特集を組んだ.スポーツ傷害一般に関する書物は過去にもあったが,これほどまでにいわゆるアスリートに的を絞った特集は類をみない.多種多様な競技があって,それぞれに特化した動きの分析評価がなされ,それに基づく創造的で最良の理学療法アプローチがなされていると思うと,理学療法士であれば誰もが知りたいと考えるはずである.また,トレーナー的な仕事がしたくて理学療法士を目指す多くの高校生や,スポーツ傷害を専門にしたいと考えている若い理学療法士にとっては,自分の進路を決める必要不可欠な情報となるはずである.
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