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●メンタルプラクティスとは
運動の上達を図るために,その運動をイメージとして再生させるトレーニング方法のことである.心的リハーサルもしくは象徴的リハーサルとも呼ばれる1).スポーツ分野でよく用いられる「イメージトレーニング」は,既に獲得されている技能を競技場面で十分に発揮するための心的リハーサルであるが,メンタルプラクティスは技能そのものの改善を目的とした手法として区別されている.
メンタルプラクティスは,Jeannerodら2)やJacksonら1)により脳内イメージを4つに分類したうちの1つに含まれており,その他には心的(mental)イメージ,動作(movement)イメージそして運動(motor)イメージがある.心的イメージとは,外部刺激の有無にかかわらず同じ感覚を再び体験する過程のことである.動作イメージとは,人や物の動作をイメージとして再生する過程である.運動イメージとは,実際に運動を行わないにもかかわらず,その運動をイメージすることで脳内にワーキングメモリが再生される過程とされる.さらに,運動イメージは大きく分けて2つに分類される.1つは自分自身が運動を行っているかのような1人称的イメージで,筋・感覚的運動イメージとも呼ばれる.もう1つは他者が運動を行うのを見ているような3人称的イメージで,視覚的運動イメージと呼ばれる.運動学習においては,前者の1人称的運動イメージの利用が有効と考えられている.これらの運動イメージの想起の性質には個人差があり,イメージの鮮明度や統御可能性として評価され,鮮明でかつ統御可能なイメージを想起することが効果的な運動イメージ介入を行うための有効な手段であるとされる.
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