臨床実習サブノート 臨床実習に不可欠な基本的技能・1【新連載】
臨床実習の心得
小澤 明人
1
1医療法人寿会 富永病院
pp.305-310
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101641
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
まずは,表1)をみてほしい.これは,社団法人日本理学療法士協会が定めている倫理規程である.この他にも,協会のホームページ内には理学療法士に関係する指針やガイドラインなどが示されている.これらは理学療法士のあり方の基本を記したものであり,学生も知っておくとよいと思う.自分の将来の仕事の内容を理解するためにも,臨床実習(以下,実習)が始まる前に一読しておくことを勧める.また,臨床実習指導者(以下,指導者)も臨床実習生(以下,実習生)を指導する際には,改めて一読してみてはいかがだろうか.
世の中の様々な変化に伴い,私たち理学療法士を取り巻く環境も変化している.同時に,実習の形態も様々な変化を続けている2).しかし,実習の本質的な意味自体は変化することはないと思われる.実習は,養成校で学んだ知識や技術を理学療法対象者に適用し,理学療法における臨床的な思考過程を学び,理学療法士の存在意義を確認する一連の作業であると言えよう.
私自身も,数々の工夫をしながら様々な想いや願いを込めて臨床教育を行っている.本稿では,それらの経験を踏まえて,これから実習に出ようとする学生に対して,様々な心得などについて,私見を交えつつ記述したいと思う.
最初に,実習の位置づけについて概説する.次に,実習前に準備しておくべきこと,実習中の様々な心得や行動パターン,そして実習後の心得というように,時系列に沿った流れで解説し,最後に指導者が実習生に期待する主体性や積極性などについても,できるだけ具体的に解説したいと思う.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.