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新型インフルエンザと世界同時不況の嵐をかいくぐって,2009年6月13日から17日までトルコ共和国のイスタンブールで開催された,第5回国際物理医学リハビリテーション医学会(International Society of Physical and Rehabilitation Medicine:ISPRM 2009)に参加した.この学会は,従来からあったIRMA(International Rehabilitation Medicine Association)とIFPRM(International Federation of Physical and Rehabilitation Medicine)を統合し,リハビリテーション医学における最大の国際学会として結成された組織で,今年で10年目を迎える.出発まで学内の新型インフルエンザ緊急対策本部の見解が二転三転して,演題は出したものの発表できるかどうか微妙な状態にあった.何とか出張が可能になり成田空港からトルコ航空の直行便でイスタンブールに飛んだが,その旅程でマスクをしている人間を見たのは成田空港の職員のみであった.
イスタンブール市内ではWHOのレベル6を髣髴させる状況はその痕跡すらなく,他人の咳を気にする様子も皆無であった.紀元前8000年頃の新石器・青銅器時代からヒッタイト,ペルシア帝国,ヘレニズム・ローマ時代,ビザンティン文化,セルジューク朝時代を経て,13世紀末のオスマン朝に至る壮大な歴史ドラマが人口1,200万の近代都市に溶け込んで,まさにアジアとヨーロッパの接点を形成する世界遺産の町であった(図1,2).日本円約90円で,ボスポラス海峡を跨ぎヨーロッパ側からアジア側に船で渡ることができる.アジア最西端とヨーロッパ最東端の鉄道の駅がイスタンブール市内にあり,それぞれ趣のある町並みを形成している.当然ながら人種もトルコ人,クルド人を中心にいろいろである.ちなみに,トルコアイスはみな伸びるとは限らない.トルコで食べるアイスはすべてトルコアイスであることを現地で知った.「トルコアイス」と注文するとほとんど日本で食べる普通のアイスがきた.いろいろ説明してもやはり普通のアイスしか出てこない.滞在中に1回だけ日本で話題のトルコアイスにめぐり合ったが,実際に伸ばしてみるとそんなに伸びるものではなかった.
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