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はじめに
「高血圧治療ガイドライン」は日本高血圧学会より刊行されており,この度「高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)」として5年ぶりの改訂が行われた.この間,本邦では生活習慣病が増加し,特にメタボリックシンドローム(MetS)や慢性腎臓病(CKD)が注目され,心血管病リスクとして重視されるようになった.その背景因子である糖尿病や肥満は増加の一途をたどっている.今回の改訂では,これらの生活習慣病への対策も重点事項となっている.2000年以降,アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)は多種類のものが開発され,これらに関する大規模臨床試験も多数報告された.特に本邦においても,CASE-J(Candesartan Antihypertensive Survival Evaluation in Japan),JIKEI HEART Study(Japanese Investigation of Kinetic Evaluation In Hypertensive Event And Remodeling Treatment Study),JATOS(The Japanese Trial to Assess Optimal Systolic Blood Pressure in Elderly Hypertensive Patients)など独自のエビデンスが得られている.これらを踏まえて今回のガイドライン改訂が行われた.
JSH2009の特徴を表1に示す.厳格な降圧,24時間にわたる降圧の重要性はJSH2004と変わりないが,早朝高血圧,仮面高血圧,夜間高血圧,睡眠時無呼吸症候群などに注目し,これらの対策として特に24時間血圧測定,家庭血圧測定の重要性などがさらに強調されている.
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