特集 アジアの理学療法
ACPT加盟国の理学療法
6.フィリピンの理学療法
古西 勇
1
Konishi Isamu
1
1新潟医療福祉大学理学療法学科
pp.397-401
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101172
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理学療法の歴史と協会組織
フィリピンにおける理学療法の歴史は古く,1949年,Philippine General Hospital放射線部の下に理学療法科が開かれた時にさかのぼる.リハビリテーション医学部門の歴史は1971年に始まり,そのレジデンシー・プログラム(インターン修了後,フルタイムで医師が臨床研修を受ける制度)は1974年に開始されている.したがって,フィリピンにおいては理学療法士のほうがリハビリテーション専門医(Physiatrist)よりも長い歴史をもち,リハビリテーションの礎を築いてきたといえる.
フィリピン理学療法協会(以下,PPTA)は,1970年に世界理学療法連盟(以下,WCPT)に加盟している1).WCPTは,加盟国のニュースを発信する電子出版物において,PPTAで2006年に新しい会長に選出されたCarmelo Cunanan氏の紹介とともに,彼らがフィリピンの理学療法・作業療法法(PT・OT法)の改定を求めるロビー活動(議員に働きかけること)を重要視していることに触れている2).その中でCunanan氏はPT・OT法の「改定法案を通すことのみがフィリピンの理学療法の実践を改善できる」と述べている.
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