特集 脳卒中の理学療法の展開
脳卒中における評価と理学療法効果
潮見 泰藏
1
,
今井 樹
2
Shiomi Taizou
1
1国際医療福祉大学保健学部理学療法学科
2川越リハビリテーション病院リハビリテーション科
pp.639-646
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100861
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脳卒中は代表的な慢性疾患の一つであり,脳血管の障害によって急性発症し,様々な神経症状や精神症状,特に運動麻痺を中心とした重篤な後遺症をもたらす.このため,かつては半年あるいは1年もの長期にわたって入院しリハビリテーション(以下,リハ)を受けることが当然のこととされていた.しかし,近年になって,わが国では大幅な医療制度の改革が展開された結果,医療費の大幅削減に伴い在院日数の短縮化がいまや常識となっている.
脳卒中に対するリハ医療については,最近ではクリニカル・パスによる脳卒中治療の標準化や急性期リハと回復期リハを明確に区分した脳卒中診療モデルが導入されるようになり,理学療法も時代の要請に即応した新たな実践が求められている.一方,EBPT(根拠に基づく理学療法実践)と呼ばれるように,理学療法による介入の効果を実証する必要に迫られている.こうした理学療法を取り巻く社会情勢の大きな変化の中にあって,従来の理学療法モデルはもはや時代にマッチしておらず,新たな概念に基づいた理学療法モデルを構築すべき時期を迎えているといえる.
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