ひろば
生きることとリハビリテーション
奈良 勲
1
1神戸学院大学総合リハビリテーション学部
pp.1030
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100702
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- 文献概要
「生と死を考える会」(以下,本会)という,全国的に支部をもつ特定非営利活動法人がある.web上に掲載してある本会の趣旨には,“死を見つめることは,かけがえのないいのちの意味を問いかけることであり,ひいてはお互いのいのちを尊重しあう社会の基盤をつくることになるのではないでしょうか.「生と死を考える会」は,身近な人を失った悲しみを分かち合い,支え,支えられ,そして,だれにでも訪れる死を考え,行動する開かれた場になることを目指す市民の集まりとして,1982年に誕生しました”とある.
私は,数年前に本会の広島支部の講演会の講師として招かれたことがある.これまで私自身も一般論として「生と死」について幾度も考えたことがある.また,両親をはじめ身近な人々を失った悲しみも体験している.さらに,理学療法士という立場で対象者のimpairments,activities,participationの向上だけではなく,むしろ対象者が何らかの障害を背負いながらいかに生き続けていけばよいのか,それをいかに支援できるのかなどについて,対象者の置かれている状況によって考え,私なりに実践してきた.近年では理学療法士も救命救急,緩和ケアなど対象者の救命・延命,看取りに関与する場面も増えていることから,「生と死」を避けて仕事をすることは難しい時代である.
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