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NHK大河ドラマ「功名が辻」にも顔を出した7本槍の1人,加藤清正が築城した熊本城は,今年で築城400年を迎える.この記念すべき年に,第22回義肢装具学術大会(以下,本学会)が熊本の地において開催された.当初会場に予定していた熊本市民会館が改装のため使用できなくなり,急遽会場変更を余儀なくされ,関係者は大慌てで会場を変更することとなった.熊本の中心部にあるデパートの鶴屋ホールと,くまもと県民交流会館「パレア」で開催することになったと聞き,交通の便は良いものの,「スペースは大丈夫かな?」と若干の不安を感じつつ会場入りした.会場は同じ建物の7・9・10階にコンパクトに配置され,狭いながら十分に満足できるものであった.さらに8階ではバラの展覧会も開催されていて,会場を上下するたびにバラの豊潤な香りと艶やかな色彩を堪能することができ,ちょっとした気分転換になった.
階別にみてみると7階では,大ホールにおいて今回の主題である「高齢者と義肢装具」に沿って,大会長(米満弘之先生:熊本機能病院)講演の「高齢者の整形外科的疾患と義肢装具」をはじめ,「高齢者障害者の車椅子シーティング」(木之瀬 隆先生:首都大学東京)など主だった講演8つと,「脳卒中の短下肢装具―病態によるベストな選択」や,「義肢・装具の材料の最近の進歩」のシンポジウム,「高齢高位下肢切断者と義足」,「チーム医療における義肢装具士のあり方」のパネルディスカッションが行われた.第2会場では「カーボン装具の有用性」(蜂須賀研二先生:産業医科大学)や「すぐ装着できる装具」(渡辺英夫先生:大牟田天領病院)などの教育講演が行われた.また一般演題の一部とポスター発表も同階で行われ,実物を展示して行われるポスター発表は,本学会ならではのものである.9階では2日間で55題の演題発表が行われ,活発な討議がなされていた.10階では各メーカーによるワークショップが開催され,各社の新製品紹介や適応などについての説明が行われた.また商業展示のブースもあり,義肢装具材料や義足パーツ・新製品の紹介など華やかな雰囲気の中,熱のこもったプレゼンテーションが行われていた.
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