理学療法の現場から
Malaysia Boleh
小林 義文
1
1福井県立病院中央診療センター
pp.126
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100422
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先日,約20年ぶりにマレー半島を縦断し,CBR(community based rehabilitation)の現場を見て回った.タクシーはマレーシア製で,ETCが完備された高速道路をぶっ飛ばしてくれた.クアラルンプールのJICAに戻ると35階建てビルにはスタバ(スターバックスコーヒー)があり,民族衣装を着た女性が,大きな容器に入ったコーヒーを飲みながら携帯でメールをしている.空港には専用特急列車で向かうが,車内にはいくつも液晶モニターが設置され,英語とマレー語で案内している.私の頭の中にあった20年前のマレーシアは,水牛が寝そべって,腰巻きのおじさんがカブに乗り,空港に行くには,すぐだますタクシーを値切りながら向かったものだった.この国は,“Malaysia Boleh(マレーシアはできる)!”を合い言葉にここまでやってきた.本当に実現したから驚いた.
さて,話を福井の職場に戻す.私の職場は昭和25年に開設された古い公立病院である.長い歴史の中では,伝染病病棟の設置,交通災害救命救急センター開設や成人病センター併設など,医療制度改革が行われるたびに主な機能を継ぎ足してきた.最近では,平成12年,隣接の精神病院と合併し1,023床の大病院になり,また難病支援センターを開設した.翌13年には回復期リハビリテーション病棟が生まれ,臨界事故を想定した緊急時医療対策施設ができた.当院は古くて汚いが,施設の多さはさしずめディズニーランドのようだ.
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