紹介
テレビドラマにみられる車いす・障害者像の一考察
藤田 大介
1
Fujita Daisuke
1
1島根リハビリテーション学院理学療法学科
pp.121-125
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100421
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介護保険法の施行によって,理学療法士が車いすの適合・選択にかかわる機会が増えてきている.しかし車いすの普及についてみると,多くの福祉施設や病院で用いられているのは画一的な標準型の車いすが多く,体の小さい高齢者も姿勢が崩れている高齢者も,ほぼ同じような車いすに座っている現状がみられる1).
メディアとはイメージや価値観を作りだし,それによって人々の意識や行動を規制することに大きな影響力を持つものである.テレビなどのメディアを通じてある種の障害者像が繰り返し提示される場合には,人々の障害者に対する価値観に影響し,それが人々に固定化された障害者観として共有されることにつながる.もし,否定的に描かれる障害者や車いす像がメディアにおいて提示されているとすれば,それが人々の間に否定的障害者観・車いす観を構築させてしまう可能性がある.そしてそのことは車いすの適切な普及に関する一つの社会的問題として作用するのではないだろうか.
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