1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?
ローランド溝
森岡 周
1
1畿央大学健康科学部理学療法学科
pp.615
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100130
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大脳皮質(cerebral cortex)は大きく前頭葉(frontal lobe),頭頂葉(parietal lobe),側頭葉(temporal lobe),後頭葉(occipital lobe)の4つの大脳葉(cerebral lobe)に分けられるが,前頭葉と頭頂葉を分けている明瞭な溝が中心溝(central sulcus)である.この溝はイタリア・トリノの解剖学者Luigi Rolando(1773-1831)によって発見された.当初Rolandoは師であるMalacarneと共にこの溝を腸管様隆起と記述している.後にローランド溝(Rolandic fissure)として記述されたのは1831年になってからである.ローランド溝は大脳半球上縁から外側溝に向かって下前方に走っている(図).ちなみに側頭葉と前頭葉および頭頂葉との境界には外側溝(lateral sulcus:シルビウス溝),頭頂葉と後頭葉の境界には頭頂後頭溝(parieto-occipital sulcus)が走っている.
ローランド溝が前頭葉と頭頂葉の境界であるならば,運動野と感覚野を区分していることにもなる.中心溝前壁に接する隆起は中心前回と呼ばれ,ここには随意運動に関係する一次運動野(primary motor cortex,4野)が存在しており,いわゆる錐体路の起始となる.一方,中心溝後壁に接する隆起は中心後回と呼ばれ,ここには一次体性感覚野(primary somatosensorycortex,3-1-2野)が存在し,体性感覚情報を受け取っている.このうち3野はローランド溝に埋没している.
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