検査データを考える
高尿酸血症と痛風
佐藤 尚武
1
1順天堂大学医学部臨床病理学教室
pp.541-546
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906658
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尿酸とは
炭素と窒素による環状構造2つから成る,プリン環と呼ばれる構造がある.尿酸はプリン環の3つの炭素原子が酸化した化合物(図1-a)で,2,6,8-トリオキシプリン(2,6,8-trioxpurine)とも呼ばれる.プリンは,糖やリン酸とともに核酸を構成する塩基の一種である.核酸を構成する塩基にはプリン塩基と,六角環状構造を持つピリミジン塩基とがある.プリン塩基としてはアデニンとグアニンとの2種が,ピリミジン塩基にはシトシン,チミン,ウラシルがある.尿酸は分解されてアラントインになるが,霊長類では尿酸を分解するウリカーゼが欠損しているので,尿酸がプリン体の最終代謝産物(図2)となる.
尿酸は,ナトリウムイオンが多い血液中や細胞外液中では98%が陰イオン化し,尿酸ナトリウム(図1-b)として存在している.この陰イオン化する性質のため,尿酸は弱酸性を示す.
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