けんさアラカルト
嫌気性菌検査の現状
国広 誠子
1
1山口県立中央病院中央検査部
pp.1448
発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906627
- 有料閲覧
- 文献概要
嫌気性菌感染症には,毒素を産生する有芽胞嫌気性菌による感染症と無芽胞嫌気性菌が中心の嫌気性菌と通性菌の混合感染症とがあるが,圧倒的に多いのは後者で,膿瘍や壊死を起こす化膿性感染症が主体である.
嫌気性菌検査は日数や経費を要し,嫌気性菌のみによる感染よりも通性菌との混合感染が多いため,嫌気性菌検査を行わなかったり,不十分である場合も多い.そのため,わが国の臨床疫学的報告では嫌気性菌感染症に関する情報は多いとは言い難い.また嫌気性菌の検出率は,検査材料の選択,採取方法,輸送・保存方法,使用する分離培地によっても左右される.これら嫌気性菌検査の現状をふまえ,嫌気性菌検査の問題点や質の向上のための検査法について述べる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.