技術講座 生化学
H2O2-POD系発色試薬の特性
清宮 正徳
1,2
,
今井 利夫
2
1千葉大学医学部附属病院検査部
2東邦大学理学部生理化学教室
pp.1243-1249
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906017
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
H2O2-POD系発色試薬は酵素的測定法における代表的な発色試薬の1つであり,近年も試薬の合成ならびにその臨床検査への応用が模索されている.現在,カップリング反応を用いた系では水素供与体にアニリンまたはフェノール誘導体を用いた方法が多い.一方,カップラーについてはその数が少なく,現在汎用されている4-アミノアンチピリン(4-AA)は呈色色素の分子吸光係数や吸収極大波長などに改善の限界がある.また,試料中に共存する各種成分の影響も完全には除去し得ないことから,アミノジフェニルアミン誘導体などが検討され,4-AAよりも長波長域に吸収極大を有しかつ分子吸光係数も向上した化合物が合成されている.さらに測定系の構築に際しては正確度や測定精度を向上させるための様々な工夫が試みられている.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.