増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
7.組織内病原体の日常染色法
c)真菌の染色法
グリドリー染色
田口 勝二
pp.773-776
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905887
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目的
組織標本で真菌症を診断するためには,病巣組織内から真菌要素を検出する必要がある.また,真菌は細菌より大きく形態に特徴があることが多いので,標本上で病原真菌の菌種の推定が比較的容易である.グリドリー染色(Gridley stain)は組織標本上で真菌を染めるのに適した方法の1つである.
本染色法は,真菌の細胞壁の主成分であるキチンなどの多糖体をクロム酸で酸化し,生じたアルデヒド基をフォイルゲン(Feulgen)液またはシッフ(Schiff)液を用いて呈色する.その後,アルデヒド・フクシンで弾性線維を,またメタニールイエローで背景を染めることにより,組織構築と菌要素を見やすくした方法である.
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