病気のはなし
市中肺炎
吉澤 定子
1
,
山口 惠三
1
1東邦大学医学部微生物学教室
pp.1490-1496
発行日 2000年12月1日
Published Date 2000/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905672
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新しい知見
肺炎は急速な臨床経過をたどる感染症の1つであり,今日でもなお適切な診断・治療の遅れが予後を左右する疾患の1つである.一方で,近年における診断技術の進歩はめざましく,より迅速な診断が可能になってきている.肺炎の病原診断には,塗抹鏡検検査,培養同定検査,抗原検査,遺伝子検査などがあるが,特に抗原検査や遺伝子検査はコスト面において問題点があるものの,迅速診断に大きく貢献する.近年利用可能なものにはS. pneumoniae,S. agalactiae,H. Influenzae,レジオネラなどがあるが,中でも重症肺炎をきたしやすいレジオネラでは,その培養の難しさ,培養期間の長さなどを考慮すると,その利用価値は高い.
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