技術講座 血液
臨床検査技師のためのFAB分類法の実際
土屋 達行
1
1日本大学医学部臨床病理学教室
pp.1123-1129
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905575
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新しい知見
急性白血病のFAB分類は発表された当時は形態を主とした分類法であったが,最近,細胞表面マーカー,染色体分析などの技術の進歩に伴い,疾患の本体を示す分類に改善しようという提案がある.これはWHOによる血液造血器悪性疾患の分類としてまとめられつつあるが1),急性白血病に関してはFAB分類は極めて広く普及しているために,どうしてもこれと対比し,準拠する形で行わなければならなくなっている.しかも,新たな提案は従来のどこの検査室でも実施可能な分類ではなく,現在ではまだ特殊な検査法が必要なこともあるので,今後どの程度普及するかは未知数である.
急性白血病のFAB分類は世界の急性白血病分類を統一し,急性白血病研究の基礎を統一したという非常に大きな業績がある.したがって,今後種々の検査法,治験を加味した急性自血病の分類が行われるとしても,形態学的な分類としてのFAB分類の地位は大きく変化することはないと考えている.
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