増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 10 血液検査データに影響を及ぼす治療法
3.サイトカイン療法
1)EPO
山下 卓也
1
1防衛医科大学校第3内科
pp.984-985
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905538
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赤血球系造血とEPO
エリスロポエチン(EPO)は赤血球系前駆細胞の増殖と分化を促進し,未梢血中の赤血球を調節するサイトカインである.赤血球系の造血については図のとおりであるが,EPOレセプターの発現はBFU-Eから前赤芽球にまで見られ,なかでもCFU-EのEPOに対する感受性が最も高い.
EPOの主たる産生臓器は腎臓である.腎のいずれの部位あるいは細胞でEPOが産生されているかについては結論が得られていない.全産生量の10〜15%は肝臓などの腎以外の臓器で産生されている.こうした臓器におけるEPOの産生量を調節する因子は動脈血の酸素分圧であり,血中酸素分圧の低下に伴って産生細胞におけるEPO遺伝子の転写が促進される.
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