増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 6 フローサイトメトリー
2.細胞表面抗原検査の実際
米山 彰子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.913-914
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905507
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はじめに
血液細胞は浮遊液としてフローサイトメーターで解析するのに適しており,造血器悪性腫瘍細胞の抗原解析やリンパ球サブセット検査などは臨床検査として広く行われるようになった.フローサイトメーターは,大量の細胞の複数のパラメーターを短時間に,しかも個々の細胞について測定できることが最大の特徴であり,例えば前方散乱光と側方散乱光のサイトグラムで単核球にゲーティングし,多重染色した2〜3種類の細胞表面抗原について解析するというようなことが簡単に行われる.特徴をよく知ったうえで使いこなすことが大切である.また,臨床検査としては検査法や測定機器が異なっても施設間差がないことが大切であり,フローサイトメトリーの標準化が求められている.米国ではNational Committee for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)がフローサイトメトリーの標準化のためのapproved guidelineを発刊し1),わが国においても日本臨床検査標準協議会のワーキンググループから末梢血リンパ球表面抗原検査に関するガイドラインが発表された2).フローサイトメトリーの標準化は現状ではまだ不十分であるが,これらの動きを通して今後検討が重ねられると思われる.モノクローナル抗体による細胞の染色,フローサイトメーターの調整,測定と解析までの流れを以下に解説する.
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