オピニオン
臨床検査技師教育の将来
多羅尾 史明
1
1北海道大学医療技術短期大学部衛生技術学科
pp.428
発行日 2000年5月1日
Published Date 2000/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905357
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先日,当学科の3年生が無事病院実習を終え,彼らに臨床実習に関するアンケートを課し,その集計を見させていたださました.その中に「検査技師の将来性に対するポジティブな意見を学生に伝えてほしい.」との意見が書き込まれていました.われわれ技師が感じている現状の憂いを学生もひしひしと肌で感じてきたのだなと思うと同時に,臨床検査技師の先達(?)としての自分のふがいなさをも感じ,情けなく思っています.現在の検査業務をしっかりと見つめることは大変重要なことですが,それに続くアグレッシブな考えが即答できない自分にはたと気づいた次第です.検査技師が淘汰される時代,意識の変革など諸先生の多種のご進言も技師個人としての目標としてはすべて納得のいくものです.しかしながら職能団体や,臨床検査学としての目標としての答えにはなっていない気がします.
今から四半世紀も昔,当時珍しがられた4卒の技師として全国に同じ思いを秘めてはばたいていった同期の仲間が,先日,この北の地に集いました.酒宴の席でも,出てくる話は就職当時の苦労話が中心でした.
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